昼前、呉羽山で散歩をしていたところ、杜鵑の啼き声が聞こえた。
鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス。諸君は杜鵑の鳴き声を御存知だろうか。一般的には「特許許可局」「てっぺん欠けたか」などと表記することが多い。残念ながら非才の私には「ぴっぴひよひよ」としか聞こえない。あな侘びし。
さて、杜鵑が啼くなら、初ガツオを食べなければなるまい。初ガツオが大道芸クラブの活動と関係あるのかと問う向きもあろうとは思うが、気にしてはいけない。家政学研究部門の活動の一部である。
気を取り直して、カツオである。刺身にしようか、或いは土佐造りにしようか。どちらかと言うと土佐造りの方が良い。元来、どんな魚類であっても、皮と肉の間に美味層を有するものである。土佐造りは、硬いカツオの皮を食べれるように工夫した所が偉い。
ところで、カツオの旬は秋である。初ガツオより戻りガツオの方が美味い、と通人共は言う。確かにこれは事実である。
しかしながら、この時期は赤身の魚が少ないのである。冬から春にかけては、赤身の魚なんて、酒の肴には不向きなマグロくらいしかないのである。旬から外れていることなど重々承知している。それでも初ガツオは嬉しいものだ。
カツオを食べるときの薬味はおろしニンニクかおろし生姜、ツマにはさらし玉ねぎや大葉等が適している。カツオはややもすると血腥いので、匂いの強いものと合わせるのが良いようである。カツオは食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておきたい。できれば盛り付ける皿の方も冷やしておきたい。醤油に柑橘類の果汁や梅肉を混ぜるのも乙である。面倒ならポン酢を使うのもありだろう。
今月中はカツオで戦える。来月に入れば、赤身魚の主戦力は鰺が担うことになる。そうなれば、季節は夏である。
十薬庵
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拾い絵 (水曜日, 29 5月 2013 00:57)
初ガツオなう