無題

学生会館前に向かうとそこには他サークルあり

 

五福公園に向かうもそこに野球少年あり

 

呉羽丘陵近くの公園に寄るも子供たちあり

 

練習が出来そうに無い時に備えて持ってきた厚い本の重みが肩を締め付ける

 

時がめぐり、なぜか私は呉羽丘陵中の山道にある

 

この期に及んでは、大道芸の道具も本もただの重荷に過ぎない

 

私はなぜその道を歩かなければならないのか問うも答え見つからず

 

やっと見つかる安息の場所にて、暫し風を感じる

 

突如現る静寂を崩せし者等は 何の躊躇いもなく私の横に死出虫のごとく集まる

 

その首領とも見える輩の片手には、人の心を弄ぶ毒の水が…

 

私は堪らずその場所を後にして、丘を下る

 

折角の鶯の声も木々や葉のこすれる音も、4つの足を備えた鉄の塊により台無し

 

そのうちに、先ほどの畜生の近縁種とも思える2足の鉄塊が右左に揺れながら吠える

 

いい年をした大人が何やら奇妙な形状をしたランドセルを背負いながら、異様な気配を放つ人口の水を撒く 草花はいずれ枯れるであろう

 

富山に静けさと趣を期待した私が馬鹿だった。

人が居ても構わず練習をする勇気のない私が馬鹿だった。

 

                            散歩芸人 へんりきあ