1)本日(?)PM22:00~00:00に、呉羽丘陵にて夜間採集を行ったのでその成果の一部を報告する。採集方法は主に街灯に集まる昆虫類を直接捕獲するものである。今回採集活動に参加したのは砂時計とへんりきあである。
Temp; 24℃
Wether; 晴れ
Loc; 呉羽丘陵
2) 追記, 2014/7/08 PM12:00-12:30 にかけての採集結果をここに補足として記す。
Wether; 晴れ
Temp; 29℃
Hum; 66%
Henricia
カブトムシ Trypoxylus dichotomus
Loc; 呉羽丘陵 路上脇の草むら中
Time; 22:15
草むらでガサガサしてました。野生のポケOンが出てくるのではないかとモンスターボールを構えたのは紛れもない、砂時計。
ノコギリクワガタ Prosopocoilus inclinatus
Loc; 呉羽丘陵灯火下路上
Time; 22:30
みんな大好きノコギリクワガタ。顎のラインがカッコイイんでしょうね…。
ヒメギス Eobiana engelhardti subtropica
Loc; 呉羽丘陵多目的広場
Time; 22:00
体色は主に黒色。頭部・胸部・翅の背部には切れ目なく一列に連なった褐色のラインが入る。また、前胸部側面の後部末端にはやや白色のラインが入る。頭部は正面から見るとやや丸みを帯びた菱形であって、一対の複眼の間には白色の単眼が一つ存在する。本個体については体長は4.5㎝に対して触角は4.4cmであり、ほぼ同程度の長さであった。産卵管は0.9㎝であり、鎌状の湾曲を有する。前脛節に生ずる内向きの棘はそれぞれ12本を数え、前脛節基部では棘の対が幾らか互い違いに配列する傾向があるようだ。一方外向きに生えた曲は左脚では二本であったのに対し、右脚では三本であり、この違いが先天的なものであるか或は後天的なものであるかについては想像の域を脱しない。
食性は草食性の高い雑食性であるらしい。
ミヤマカミキリ Massicus raddei
Loc; 呉羽丘陵展望台近くの灯火下路上
Time; 22:25
全体的には褐色。触角は黒く非常に丈夫な感がある。本種は容器の都合上捕獲できなかったため詳細な観察は行っておらず、写真だけに留めている。カミキリの類は往々にしてそうであるが、顎はよく発達している。体長は5㎝程度。
マイマイカブリ Damaster blaptoides
Loc; 呉羽丘陵多目的広場芝生上
Time; 00:10
以前にも紹介したマイマイカブリ。どうもこの頃はこの虫に好かれているようだ。
折角なので以前よりも多少詳細に観察を行う。
頭部はそのよく発達した顎を含めて0.7㎝ほど、胸部は0.6㎝、腹部は2.3㎝ほどである。体色は全体に黒色であり幾らか金属光沢を有する。ただし、腹部の前翅背面には僅かに縦線があり、かつ全体的に凸凹とした質感であるため光沢は無い。因みにこの前翅は融合しており開くことが出来ない。その六本の脚はクワガタやカミキリなどの他の甲虫に比して幾分か細長く脆弱な感がある。
ヨツボシクサカゲロウ Chrysopa pallens
Loc; 呉羽丘陵多目的広場灯火
Time; 22:00
体は黄緑色で翅は透明。ただし、網目状の模様が入る。頭部から胸部周辺に黄色みの強い領域が存在する。全長は翅を含めて1.95cm。翅は4枚で前翅・後翅ともに退縮は見られない。捕獲するなど刺激を与えると何とも言い難い悪臭を放つ。恐らく名前の「クサ」は「草」の他に「臭」という意味も持ち合わせていると思われる(予想)。本種の頭部には複眼の間に黒い二つの斑点が存在し、その下には更にそれぞれ二つ黒斑がある。
ニホンアマガエル Hyla japonica
Loc; 呉羽付近のファストフード店近くの水溜り
Time; 23:30
本州・北海道・九州・南西諸島など日本全域に渡って生息するお馴染みのカエル。
今更論ずるべくもないだろうが、捕れてしまったものはしょうがない。しっかりとここに記録を残す。
ナナフシの一種
Loc; 呉羽丘陵中樹上
Time; 22:30
本個体は幼体。本体は4cm、触角は0.6cm、前脚は4.5cm、中脚は2.9cm、後脚は3.3cmである。節はどこを数えるべきか良く分からなかったが、恐らく6つ。私には種類が分からない。
ウツボホコリ Arcyria denudata
Loc; 呉羽丘陵遊歩道 朽木
Time; 12:15?
これはカビやキノコではない。真正粘菌(変形菌)の一種である。粘菌は人間からすれば極めて奇怪な生活史を持つ生物である。無論、動物でも植物でもない。写真は粘菌の子実体と呼ばれる形態で、子嚢の中に無数の胞子を持っている。
子実体の形状は円筒形であり、顕著な赤褐色の柄と接続している。子実体は密生しているがそれぞれが融合しているようなことはなく、単子嚢体である。高さは4~5mm程度。子嚢体は薄い赤色であり、写真でよくその色が確認できるものの多くは既に子嚢壁が脱落しているため、触れると胞子が飛び散る様子が肉眼でも伺える。細毛体は網目状、それぞれ赤色であり、幾らか弾力性を有し、その表面には環状及び半環状の突起や針状の突起が存在している。細毛体はその基部に存在する皿上の胚状体からは分離しにくく、子嚢の頂点まで達するような軸柱構造は無い。一見したところ、ムラサキホコリ目のカミノケホコリにも似ていたため柄の内部構造を観察した。すると、柄の赤褐色が強く見辛くはあったが、内部には確かに胞子状細胞の存在が見て取れたため、その線は無いと言って差し支えないはずだ(ムラサキホコリ目では柄の中に石灰質や胞子状細胞を含有しないらしい。また、ウツボホコリはケホコリ目に含まれる)。胞子は主に透明であり、その内部に幾らか明るい色のついた小粒子が観察された。
近頃は天候が不安定でかつ気温も高い。今日は日中につかの間の晴れ間が見え、曇っている内に盛んに活動していた変形体が日光に晒されたために子実体となっていたのであろう。
ツノホコリ?
Loc; 呉羽丘陵遊歩道 朽木上
Time; 12:15?
正直なところ、この白いふさふさが粘菌であるのかどうか自信がない。もしかしたらカビかもしれないし、キノコかもしれない。一応形態観察は行った。写真で白く写って入るのはツノホコリの担子体であろう。分岐はさほど頻繁に生じてはいないものの、幾らか分岐はしている。担子体を詳しく観察すると、網目状の構造が見て取れ、そこから立ち上がる無数の毛状の構造も観察された。この毛の末端には円形~楕円形の構造が接続しており、これは胞子であろうと予想される。もしこの生物が粘菌でよいのであれば、「他の変形菌類が子嚢内部に胞子を抱えるのと異なり、担子体の表面に生じる柄の先端に胞子がある」とするツノホコリの記述に一致することになる。また、写真には写されていないが、この付近には同色で球状の生命体が存在しており、こちらはツノホコリの変種、タマツノホコリと考えるのが妥当であろうか。
ドクダミ Houttuynia cordata
Loc; 呉羽丘陵遊歩道脇
Time; 12:15?
今回はそもそもこの植物の葉が欲しいがために呉羽に入ったわけである。独特な香りを有することと、薬用植物としてしばしば(?)用いられてきたことで有名だろう。この植物については、当サークルにおいて最も適任な方があるわけで、私から言うことは何もなかろう。
…最後に何か言うなれば、この植物は「十薬」と呼ばれることもあるという事くらいだろうか…。
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コンペー党 (日曜日, 06 7月 2014)
カブト、クワガタの2大エースを差し置いてヒメギスの説明が長いことに個性が滲み出てるね。
砂時計 (月曜日, 07 7月 2014 22:50)
ナナフシはかわいい。
へんりきあ (火曜日, 08 7月 2014 23:21)
ウツボホコリがかわいい